伊藤文夫
分水嶺から落ちる水音を背に一日が明け暮れる。山間の小さな村にある陶房の辺りには野の花が楚々と咲き、 キツネ やムササビ、時にはカモシカもその凜しい姿を見せる。あたり前だが薪を割り土を練り窯を焚く。 その繰り返しの中から何か自分の正体がぼんやりとでも視えてくれば幸いである。 雲のように水のようにとは うんすい